陸上部かと思った

仕事が終わってアイフォーンを見ていたら、同期からラインが来た。見ると「ごはんを食べに行こう」という誘いで、どうしたものかなと困ってしまった。ごはんを食べに行くだけでは終わらないだろうなと思ったからである。一歩足を踏み入れると、そこには魅惑の大人世界が広がっており、コッソリ忍び寄る酒の足音も聞こえてくるに違いない。如何せんきょうは月曜日であるし、明日も朝早い。

 

返事をしあぐねていると、追加のメッセージが表示された。「どちらかというとお酒が飲みたいな」。南無三。

 

週明けから飲んだ罪により、手袋をどこかへ忘れて来てしまった。お酒であたたまった手のひらが風を受けて冷え、家に着くころにはヒエヒエでアイフォーンも操作することのできない。無印良品で買ったかわいい手袋だったものだから、少し残念である。

バイト

同期がよく「バイトをしたい」と言う。この間遊んだ子も言っていた。その心は、給料だけでは生活ができないからとのことだった。確かに私も社会人になってから、浪費が過ぎているという自覚があり(主に洋服のせいである)、このところ節制を心がけている。生活を犠牲にして得たお金である以上、生活の潤滑油として使いたい。社会人になって初めに祖母に言われたのは「人付き合いにお金を惜しむな」であった。

お酒を飲むときは

会社の先輩とお酒を飲みに行くことが、最近ぽつぽつ増えてきた。先週お酒が原因でひどい失敗をしたばかりなのだけれども、ともあれお酒はたのしい。このひとこんなことを言うんだ、考えるんだ、するんだ、という様々な発見があったりする。

 

如何せん下っ端なので、先輩らと飲みに行くとき、いじられるのは必ず私だ。「暮らしはどうか」「彼女はどんなひとか」「かわいいのか」「力関係はどちらが上か」等ひっきりなしに質問攻めである。

 

それらをやんわり躱しながら相槌を打ち、にこにこしている内に彼ら(彼女ら)はどんどんお酒が進み、やがて私の知らない話をたくさんしてくれる。私はそういう話を聞くことが割に好きだ。だから「また行きましょうね」と店を出るとき言う。

 

最後に私の疑問でお別れですが(話のオチをつけることのできなかった)、ソニーのイヤホンについている白いゴムはいつから無くなったのだろう?音楽が聴けないので困っています。

ムーンライズ・キングダム

大学生のときによく映画を観た。バイトから帰ってくるといつも23時過ぎで、そこから手を洗ってコンタクトレンズを外し(あるいは用を足し)、帰りがけにコンビニエンス・ストアで買ったお菓子を食べながら観るのが好きだった。

 

私は映画にあまり明るくなかったので、美大に通っている友人に「どの映画を観るといいかな」と逐一訊ねた。彼女はセンスが良く「君はこんな映画が好きなのではないか」と教えてくれた。洋画も邦画もよく観た。

 

しばらくすると自分の好みというのも薄々分かってきて、私はウェス・アンダーソンの映画がどうやら好きらしく、片っ端から借りた。友人にそのことを伝えると「ミーハーだねえ」と一笑された。

 

最近やっている映画で、観たいものがいくつかある。今やその友人は院生となったが、彼女を誘って観に行くのも悪くないかなと思う。

Suica

家族で西瓜を好んで食べないのは私だけである。夏は、食後によく冷えた西瓜が出されるのであるが、どうしても食べる気になれなかった。塩をかければ食べられないこともないが、西瓜のためにそこまでしてやる必要もないよなと妙な開き直りもあった。

 

しかし先日、季節外れではあるが、ふと西瓜を食べたくなった。我ながら珍しいなと思ったが、果たしてどこへ行けば西瓜が食べられるのか分からぬ。Safariで調べたところ(すぐ調べる)、コンビニにカットタイプの西瓜が置いてあるらしい。私はコートを羽織って家の鍵を閉め、外へ出た。

 

最近は朝晩の冷え込みが厳しい。先日手袋を買ったばかりだが、次の休みにはストールを買おう。いい色の、あたたかいやつがあるといい。

 

私は近くのコンビニへ入り、目当ての西瓜を探してみたが見当たらなかった。このまま帰るのも心許ないので、なにか他のもので隙間を埋められないかと探してみたら、コーラがあった。

 

我が家にはコーラを飲む文化が無く、わざわざ外で買わないことには飲めない。いい塩梅の非日常さで、コーラを買って帰った。

 

来年の夏は、食後に出される西瓜を張り切って食べたい。わざわざ少しの塩を振って。

エイリアンズ

今年の春に環境が変わってからというものの、ウォークマンで音楽を聴くことがめっきり減ってしまった。私は中学生の時分に音楽への興味を持ち始め、高校生でおおいにねじ曲がった嗜好を発現し、大学生で落ち着いたかのように見えたが、ある日を境に昔流行った音楽を追うようになった。今でも小沢健二のライブに行けて良かったなあと思い返しては、何か込み上げてくるものがある。

 

話は変わるが、私は運動不足だ。すぐ顔に肉がついてしまう。なかなか腹に肉のつくことはないが、顔がむくんでしまう。損だなと思う。このままじゃいかんと一念発起し、私はウォーキングを始めることにした。

 

夜の落ち着いた時間に上着を羽織り、スニーカーでずんずん歩く。Safariで調べたところによると、有酸素運動は身振りを大きくした方がいいらしい。なるほど私は手を大きく振ってぶんぶん歩く。

 

初めの内は良かったものの、だんだん耳が寂しくなってくる。さてどうしたものかと考えていると、無意識のうちに左ポケットにウォークマンを入れていたことに気付いた。

 

シャッフル機能で適当に再生したキリンジのエイリアンズは、冷え込んできた秋夜にピッタリで、何だか嬉しくなってしまって熱心に歩いた。

 

さてウォーキングから帰った私であったが、我慢できずに、明日のおやつとして買ってあったガルボを全て平らげてしまい、全ては秋の夜の夢、水泡に帰すこととなった。

たべるのがおそい

近くに旅行の予定があり、訳あって旅のしおりを作成しなければならなくなった。平日は私にも仕事があるため、必然的に作業は夜のあいだに行う必要がある。

 

幸いなことに旅のしおり作成者(犠牲者)は私だけではなく、他に2人居た。それぞれの仕事が終わると連絡を取り合い、各々の交通手段を駆使して集まる。時間はおよそ20時くらいであった。

 

計3日間の作成期間のうち、マクドナルドで作業をすることが多かった。近所に気取ったファミリー・レストランもあったのだけれども「他のお客さまのご迷惑になるから」と追い出されてしまった。夜のマクドナルドには大学生と思しき若者や、テスト勉強に勤しむ高校生などの姿を認めることができた。

 

3人が集まると、それぞれ今日の仕事の話をした。なかなか電話に出ないお客さんが居て、無理難題を押し付けてくる上司が居て、無駄話はいいから早く作業を始めようよと制する者が居た。

 

皆が頼むのは決まってバリュー・セットである。私は1日目に新発売のバーガーを食べ、2日目にフィレオ・フィッシュを食べ、3日目にチキンのバーガーを食べた。

 

商品を受け取ると、席に着き、包装紙を剥がして食べる。食べている間、なんとはなしに2人の様子を見ていたら、あることに気が付いた。それは、ハンバーガーとポテトの食べる順序についてである。

 

仮にAはハンバーガーを全て食べ終えてからポテトを摘んだ。ハンバーガーを食べている間はポテトを一切食べない。仮にBはポテトを全て食べ終えてからハンバーガーに手をのばした。ポテトを食べている間はハンバーガーを一切食べない。かくいう私はハンバーガーとポテトをバランスよく食べた。

 

旅のしおりは無事に完成し、人数分プリントアウトして、ホチキスで留めた。私は、しおりのあとがきとして「ハンバーガーとポテトの関係性について」という読み物を載せようと提案したのだけれども、食べ方のバランスの悪い2人に断られてしまった。