マリーゴールド

暑い日が続いている。私は秋だとか冬の方が好きなのだけれども、それは洋服をすきに着ることができるからだ。夏は気候の関係で、どうしても薄着になってしまう。ゆえに服装が単調になりがちである。それを補うべくアクセサリー類を身に着けると良いんだろうけど、アクセサリーといえば時計くらいしか巻かない私である。シルバーのネックレスをどっしり提げたら後ろ指を指されるだろうし、シルバーのリングをこっそり指にはめたら鼻で笑われてしまうだろう(要するにキャラクター性にそぐわないということだ)。このような由々しき悩みを抱えていた私であるが、昨今はバンダナを首に巻きつけるという新勢力が勃興し、いささか物事は解決に向かい始めた。バンダナを巻いているひとを見かけると、行儀の良い犬のようでなかなか愛嬌があるよなといつも思う。私もかわいいバンダナをひとつ持っているが、如何せんうまく巻くことのできない。今まで身を任せていたツケが当たったのは分かるが、「それじゃあバンダナを巻かずに眼鏡をかけるか」と開き直りさえする。眼鏡は丸い形のものをずっと使っているが、似合っているねと褒められることもあり、まあ悪くないかなと納得している。

Summer Gate

旅行も終盤にさしかかり、友人らへのお土産を買いに行くことにした。どこで買おうかなと考えたのだけれども、今回はまだ国際通りへ足を運んでいなかったので、いい機会だと思いレールバスに乗り込んだ。観光客で賑わっている通りを横目に、友人らとのライングループに「お土産は何がいいかな」と書き込む。件の「夏休みはやっぱりリゾートに行くしかないのかも知れない」と提案してくれた子には、紅芋タルトを買ってくるように前もって言われていたので、御菓子御殿というお店に入った(修学旅行で沖縄を訪れた際に、私はこの店で紅芋タルトを買った)。入ってまず驚いたのは、紅芋タルトの種類の多さであった。以前の来縄(こんな言葉があるのかは分からない)から随分月日が経過しており、見たことのない紅芋タルトらがそのことをソッと私に教えてくれていた。どれを買うと喜ばれるかなと考え、いくつかピックアップして写真に撮り、ライングループに投稿することにした。程なく返事のあり、「御菓子御殿の元祖紅芋タルトをよろしく。」とのことであった。

 

会計を済ませてお店の外に出たところで、「雪塩のちんすこうを買ってきてくれ」という二人目からの返事を認めた私は「そんなの近所のコンビニやスーパーで売っとるじゃろがい」と言いたいのをグッと堪え、オーケーと返事をした。さて私の今居る国際通りであるが、雪塩のちんすこうなどそこらじゅうの土産屋に置いてある。適当に目に付いた店に入ってみると、「紅芋タルトに次ぐ!沖縄土産ランキング2位のちんすこう」と謳うちんすこうがあった。すかさず「『紅芋タルトに次ぐ!沖縄土産ランキング2位のちんすこう』と雪塩ちんすこうがあるけれども、どちらが良いか」とグループラインに投稿すると、「『紅芋タルトに次ぐ!沖縄土産ランキング2位のちんすこう』よりも雪塩ちんすこうの方が気分」と言われたので、右手に持っていた「紅芋タルトに次ぐ!沖縄土産ランキング2位のちんすこう」を棚に戻し、近所に売っている雪塩ちんすこうを購入した。元来私はちんすこうをおもしろく思っていない。というのも沖縄帰りの知人らが、こぞってちんすこうを土産に買ってきやがっていたからである。終いには、我が家の面々は誰もちんすこうを好んで食べない。それゆえお土産で頂いたちんすこうは、家の片隅でコッソリと賞味期限を迎え、捨てられるのが常であった(友人は雪塩ちんすこうを買ってこいと吐いたが、ほんとうにそれを喜んで食べるのだろうか?)。

 

さて、最後に返事を寄越した友人のリクエストであるが、これがほんとうに難しかった。曰く「貝殻で作られたルーム・ライトがあれば買ってきてほしいな」とのことで、思わずなんじゃそりゃと声が出た。想像が全くつかなかったので、通り沿いの貝殻専門店のようなところに入ってみた(貝殻で作られたアクセサリーが所狭しと並べられていた)。そこの二階で例のルーム・ライトを見つけた。しかしながら、それは私の想像を遥かに超えた大きさをしており、値段は2,300円もした。「これは友達力が試されているのだろうか」と腐心しつつライングループに報告してみると、「それはガチのほんとうのやつやん」とのことで、「そしたらフォト・フレームを宜しくお願いします」と言われた。ところが、彼女のその返事が来たのは私が既に国際通りを去った後であり、悩んだ私は沖縄から帰ってきてからFranc Francでフォト・フレームを買って渡した(正直に事情も説明した)。

 

ちなみに私自身へのお土産には、ゴーヤマンのマスコットキーホルダーを買いました。これは小学生の時から欲しかった。

セラヴィ!

街の中を歩いているとき、足が疲れてしまって休憩がしたくなったり、コーヒーを飲みたくなったりしたらカフェに入ると思う。スターバックスがあればスターバックスに入るし、ミスター・ドーナッツがあればミスター・ドーナッツに入る。そこには季節限定の冷たいドリンクや、目がさめるほど熱いコーヒーが用意されていて、オーダーをとってから椅子に座ると足がじいんとする(そうやって初めて疲れを知る)。今回の旅行では、ステーキ屋で昼ごはんを済ませてた後、アプリで「近くのカフェ」と検索してみたら、オハコルテ・ベーカリーがヒットした。それが空港で読んだガイドブックに載っていたお店であることを思い出し、距離も近いしどれ行ってみようかしらんと歩き出した。お店の近くにあった那覇市役所の写真を撮って友人に送信した後(マインクラフトみたいだなと言われた)、目的地に辿り着いたのだけれども、お店の目の前にバス停があることを知って、バスに乗れば良かったなと思った。

 

店内は木を基調とした落ち着いた雰囲気で、大学のゼミを一つ入れても席に余裕があるくらいには広い。平日の昼間であったがお店の中は賑わっており、多いのは女性客であった。メニューを広げると軽食だけでなく、ハンバーグや良さそうなプレートもあった。しかし私はステーキ(男は黙ってMサイズ)を平らげた直後だったのでコーヒーだけ注文することにした。特筆すべきは「ロング・ステイ・コーヒー」という、何杯でもおかわりすることのできるアメリカンコーヒーがメニューの中にあったことで、私はもちろんそれを選んだ。

 

沖縄滞在中に全部で二回オハコルテ・ベーカリーを訪れたのだけれども(二回目は朝食を摂りに行った)、買っても良いかなと考えていたマグカップは最後まで購入しなかった。こうやって書いていると、買わなかったことが悔やまれますね。

国境の南、太陽の西

沖縄に来ている。私が勤務している会社には連続休暇と名を打った一週間の休暇制度があるのだけれども、七月の終わり頃、上司から急に「八月の第二週から休んでくれ」と言われた。さて何をしようかしらんと悩んでいると、飲みの場で友人から「夏休みはやっぱりリゾートに行くしかないのかも知れない」との助言があり、その子に紅芋タルトを買ってくる約束まで取り付けられてしまった。そういうわけで沖縄に来ている。ちなみに滞在三日目です。私の住む街よりも暑さは厳しくなく、海が近いので涼しい風も吹いている。出発前に拵えたサングラスとスイム・ショーツ(今のところ活躍の場はまだない)がたとえ今回の旅行でしか使用しないとしても、それらを揃えるくらいにはちゃあんと浮かれている。沖縄は大学生のときに旅行で訪れて以来で、その時に泊まったホテルの前を偶然通りかかったときには(オハコルテ・ベーカリーを目指して歩いていた)、思わず声をあげてしまった。

 

さて今回の旅行だが、友人らに幾らかの提案を受けている。一つ目は美ら海水族館に行くこと。メジャーな観光地として挙げることのできる彼の地を訪れ、ジンベエザメの写真を撮ってくるよう言われている(ちなみに水族館へ向かうバスの中でこの文章は書かれている)。二つ目はステーキを食べること。沖縄にはステーキ文化が根付いており、検索窓に打ち込めば沢山のステーキ屋が出てくる。その中から私はジャッキー・ステーキ・ハウスという老舗を選んでステーキを食べた。注文の際に「Sサイズを下さい」と言うと、ご婦人から「男の子はMサイズでも小さいというのに」と感嘆されたので、「それじゃあMサイズを下さい」と諦めて言った。ステーキ自体は破顔するくらいには美味しかった。三つ目は沖縄の郷土料理を食べること。昨夜、国際通り沿いにある人気店でゴーヤーチャンプルーを食べたが、その旨を伝えると友人らは「ソーキそばも食え」といちゃもんをつけてきた。なのでソーキそばは明日食べに行きます(首里のほうにステキなお店がある)。四つ目は離島に行くこと。これは台風の具合が分からないので行かないと思う。ロマンチック街道を行く友人曰く「辺りは暗く、街灯の光も遠く届かない海辺で、ふと見上げるとそこには満点の星」とのことであったが、念入りに断っておいた。それから、最後に五つ目は日焼けをしてくること。「私は休暇を利用してリゾートへバカンスに行きました」と顔に書いてあるくらい日に焼けてくるよう言われたのだが、元来私は日焼けが似合わない。筋骨隆々でないし、顔つきが益荒男振りでもないからである。そういうわけでほんの少し日焼け止めを塗るくらいではあるが、じりじりに焼く気は毛頭ない(ホテルの近くにある東急ハンズに、最近台頭した男性用の日傘が置いてあって結構真剣に購入を考えた)。

 

ここまで書いてもバスはまだ水族館に着かず、窓から見える景色はまるで熊本のようである。これが何かを示唆していないといいのだけれども。

アイデア

NHK連続テレビ小説というものがある。母親が好んで昔から見ているのだけれども、そのうち影響を受けやすい父親も見始めた。すこし前に『あまちゃん』がブームになったときなんて、彼らはおもしろがって朝と昼の再放送をどちらも見ていた(話の内容は同じであるのに)。かように傍観を決め込んでいた私であるが、とうとう連続テレビ小説に手を出してしまった。読者諸賢は『半分、青い。』をご存知だろうか?連続テレビ小説といえば、昭和の偉人らをモチーフにしがちだが、今作の舞台はなんと現代で、片耳が聞こえない女の子を主人公としている。四月の放送当初から追いかけて見ているのだが、これがわりにおもしろい。詳しい話は割愛するが(ぜひ見てみてほしい)、見ていて思わず泣いてしまうこともある。仕事から帰ると、私は手を洗ってコンタクトレンズを念入りに洗い、それからすぐ録画していた『半分、青い。』を見る。もはや毎日のたのしみと言っても過言ではない。九月末に最終回を迎えてしまうのだけれども、私はそのロスに耐え得るのだろうか?

アフターダーク

今年の初めにキャリーバッグを買ってからというものの、まとまった休みを見つけては旅行へ行くようになった。私は私が思うよりも、どうやら形から入るタイプであったみたいだ。二十代の間はLCCの飛行機を利用しても良いことにしているので、ピーチやジェット・スターを利用することが多い。宿泊先についてであるが、私は元来ビジネスホテルが好きなのでよく利用する。彼らの持つ簡易的で完結的な空間は、見るたびにとても清々しい気持ちになる。旅行の際にはメインの目的地をひとつだけ決めて、それ以外は聞いたことのある美味しいものを食べたり、夕方に散歩へ出たり、カフェに入って本を読んだりして過ごすのが割に好きだ。私は大人になり、お酒を飲めるようになったのも大きい。大衆居酒屋に入って何がおすすめなのか訊き、それを頼んだり頼まなかったりする。小沢健二がライブのおしまいに必ず「日常へ帰ろう」と言うが、旅行はいつも非日常感のあって好きだ。

悩める行李

夏至を経て、梅雨が明けるともう夏である。この時期になると、去年はどんな洋服を着ていたっけなと毎年思う。行李を確認してみると、ユニクロユーのシャツや、無印良品で買ったハーフパンツ(安くて立派)や、ベルトの要らないクライミングパンツ(さらさらで気持ちが良い)などを見つけて、ああこんな感じだったなと納得がいった。これはずっと言っていることなのだけれども、今年こそ良いポロシャツを買いたいと思う。候補は既にあって、ラコステフレッドペリーのものがいいなと考えている。それに、容赦なくエアコンが効いている出先で羽織れるものもあるといい。