雪が降る町

今年も残すところ僅かとなり、年末年始の予定もぽつぽつと埋まりはじめた。私は秋からだんだん冬になっていく季節がすきで、何より冬の朝の空気は、シンとしていてうれしい。そういえば同期に「さいきんの仕事のモチベーションは何」と尋ねたところ「年末年…

赤い電車

幼少の頃私は電車がすきだった。祖母の家の近くを通るJRを見に行きたいと、私があまりにせがむので両親はほとほと困ったと聞く。小さき者たちは、一方で特撮ヒーローを好み、一方で仮面ライダーを好み、一方でウルトラ戦士を好んだ。困ったお子だった私は機…

相模を読める

職場にヘンテコでおもしろい先輩が居り、名をRさんという。先日支店長がお客さんから今治タオルを貰ってきたのだけれども「何かに役立ててくれ」と私にくれた。頂くのも畏れ多かったため「支店に」と件のRさんに渡したところ「これは私知っているよ、良いタ…

東京フリーウェイ

昔から仲の良い幼馴染が居り、彼は機械類に詳しい。その専門分野は幅広く、機械にあまり明るくない私はいつも頼りにしている。そんな彼はおもしろい経歴を持っており、また考え方も変わっているため、話をしていて飽きない(お互いがお互いを変なやつだと認…

陸上部かと思った

仕事が終わってアイフォーンを見ていたら、同期からラインが来た。見ると「ごはんを食べに行こう」という誘いで、どうしたものかなと困ってしまった。ごはんを食べに行くだけでは終わらないだろうなと思ったからである。一歩足を踏み入れると、そこには魅惑…

バイト

同期がよく「バイトをしたい」と言う。この間遊んだ子も言っていた。その心は、給料だけでは生活ができないからとのことだった。確かに私も社会人になってから、浪費が過ぎているという自覚があり(主に洋服のせいである)、このところ節制を心がけている。…

お酒を飲むときは

会社の先輩とお酒を飲みに行くことが、最近ぽつぽつ増えてきた。先週お酒が原因でひどい失敗をしたばかりなのだけれども、ともあれお酒はたのしい。このひとこんなことを言うんだ、考えるんだ、するんだ、という様々な発見があったりする。 如何せん下っ端な…

ムーンライズ・キングダム

大学生のときによく映画を観た。バイトから帰ってくるといつも23時過ぎで、そこから手を洗ってコンタクトレンズを外し(あるいは用を足し)、帰りがけにコンビニエンス・ストアで買ったお菓子を食べながら観るのが好きだった。 私は映画にあまり明るくなかっ…

Suica

家族で西瓜を好んで食べないのは私だけである。夏は、食後によく冷えた西瓜が出されるのであるが、どうしても食べる気になれなかった。塩をかければ食べられないこともないが、西瓜のためにそこまでしてやる必要もないよなと妙な開き直りもあった。 しかし先…

エイリアンズ

今年の春に環境が変わってからというものの、ウォークマンで音楽を聴くことがめっきり減ってしまった。私は中学生の時分に音楽への興味を持ち始め、高校生でおおいにねじ曲がった嗜好を発現し、大学生で落ち着いたかのように見えたが、ある日を境に昔流行っ…

たべるのがおそい

近くに旅行の予定があり、訳あって旅のしおりを作成しなければならなくなった。平日は私にも仕事があるため、必然的に作業は夜のあいだに行う必要がある。 幸いなことに旅のしおり作成者(犠牲者)は私だけではなく、他に2人居た。それぞれの仕事が終わると…

お年玉

私の家は親戚が少なく、お年玉の貰える機会が少なかった。かとって両親がくれる金額も多くなく、「全部で3、4万くらい貰えたよ」と学校で話す友人たちがいつも羨ましかった。 お年玉自体は社会人になってパッタリ貰えなくなってしまい(当たり前である)、寧…

汝の名は達磨なり

私がまだ小さき毛玉として、そこいらに転がる綿埃と毛頭変わりなき頃、物欲というものがあまり無かった。おそらく自分の好みをちゃあんと把握しきれておらず、世に溢れる物たちの中から何かを選択するという作業ができなかっただけだと今になって思うのだけ…

透明少女

音楽の楽しみ方は多様であり、私は「好きなアーティストが好んでいる音楽を辿っていくこと」が割に好きだ。ある日例によって、とあるアーティストのルーツを辿っていると、NUMBER GIRLというバンドにぶち当たった。 フロントマンである向井秀徳の独特な喋り…

夜を過ごすには

学生の時分、幾分か自堕落な生活をしていた。一人暮らしは自分以外に朝起きたり、ごはんを食べたり、歯を磨いたり本を読んだりする者が居ない。したがって生活は己の掌の上にあり、果たしてそれは良くも悪くもである。 ある時私は生活を改善するべく、習慣を…

人間失格

「恥の多い生涯を送ってきました」と綴ったのは太宰だけれども、今回は恥ずかしく思うこと(羞恥心というか)についての話をしたいと思う。 いま付き合っている恋人とは随分長いこと一緒に居て、共に生活をする上では概ねの事が恥ずかしくなくなった。寝起き…

グッド・シューズ

私はシンプルな格好がすきで、理由は着回しがきく等いくつかあるのだけれども、それだと如何せん色味がない。オフホワイトかネイビー、たまにカーキがあるくらいだ。 靴も似たようなもので、私は革靴よりスニーカーを履くことが多い。ナイキやコンバースの定…

煙草をのむ

幼少の頃より、私の周りで煙草をのむ人は少なかった。父親が一時期吸っていたが、「とある映画で、煙草が原因となって苦しみながら死ぬシーンがあって怖くなった」というよく分からない理由で禁煙したそうだ。 そういうわけで私は煙草の匂いに慣れておらず、…

西海岸のはっぴいえんど

私は音楽が割にすきで、邦楽を中心によく聴く。とりわけ、気に入ったものは恋人に教えたりもするし、それを2人で歌ったりもする。昔から恋人と私の音楽の趣味は結構似ており、教えたものはほぼ気に入ってくれる(だめなものもあるけれど)。 読者諸賢はnever…

フレンド機能

中学・高校どちらも3年生の時に、よく分からないままに仲の良くなった人が居る。中学3年生の時に仲良くなったAとは今もたまに連絡をとるが、高校3年生の時に仲良くなったTとは殆ど連絡をとらなくなってしまった。 前にも書いたけれども、私は高校の受験期に…

いつかティファニーで朝食を

食にはめっぽう疎く、どのくらい疎いかというと、つい最近恋人のお陰で「私はホルモンがすき」ということに気付いたくらい疎い(分かりにくさのある)。それまでは焼肉に行っても、豚であろうと牛であろうと、またどこの部位であろうと「肉」として処理し、…

言葉の捉え方

高校生の時から「頑張って」という言葉が苦手で、人から励まされる時や、逆に自分が他の誰かを励ます時にはいつも頭を悩ませた。仲のあまり良くない友人たちへはスンナリ「頑張ってね」と言えるものの、親密度が高まるにつれて言いづらさは増していく。どう…

カメラ・ロールを見渡して

私がまだ小さく、そこいらへんに転がる毛玉との判別もむつかしかった頃の話である。七五三などのタイヘンめでたい日の写真館にて、私はプロのカメラマンが使っていたカメラにひどく興味をもったそうで、「いぢくりたい」と喚いたそうな。 そこで親切なカメラ…

むんと胸を張れること

富だとか名声だとか、いわゆるステイタスと呼ばれるものがある。私はその類への意欲(自己実現欲求とでもいうのかな)が割に低い。誰からも必要とされるひとよりは、自分の好きだと思う少ない数のひとたちから「オモチロイやつだな」と思われるひとになりた…

うがい

先日風邪をひいた。まず喉の痛みとしてそれは現れ、次いで鼻のつまりへと姿を変えた(かくいう今も鼻声である)。私は風邪のひきはじめに必ずすることが2つあって、1つはポカレモンを飲むこと、もう1つは熱いお湯で体をあたためることだ。簡単なことたち…

サプライズをするときは

読者諸賢よ敢えて聞こう、サプライズしあってるかい? かくいう私は、最近恋人にサプライズをした。恋人が愛らしいハンドタオルを見ているのを盗み見、「あとで行けなくなるかも知れないよ」と巧みに恋人をトイレへ促したあと、サッと件のハンドタオルを購入…

形作られてゆく

それぞれの家庭内にルールがある。ルールというと語弊があるやもしれぬが、慣習といったものはどこの家庭にもあり(きっとね)、「それが当たり前である」と思いこんで子どもは成長する。しかし成長の過程で吸収した「当たり前」も、社会に出て様々な人と触…

よしなし事をそこはかとなく書きつくれば

今年も残すところあと1ヶ月となった。年末ともなると、人はあれこれ思索に耽る。師が走るとはよく言ったもので、私くらいの立派なオトナともなると、沈思黙考の末「あれもやらねば」「これもやらねば」と次々にするべきことが浮かび上がり、バタバタ走り回ら…

cocoa

幼き日の思い出というのが私にもある。小学生の時分、日曜日には必ず家族みんなで朝ごはんを食べるという決まりがあった。だいたいが山盛りのフレンチトーストであったのだけれども、その時父親が必ずココアを飲んでいたことをよく覚えていている。コカ・コ…

何も言わない

「宮島にいます。広島の。」というラインが母親から届いた。ついこの間「ランタンフェスティバルにいます。長崎の。」というラインが届いたばかりである。我が家にはどうやら突拍子もない行動をとるという血が流れているみたいで、かくいう私もそうだ。 高校…