たべるのがおそい

近くに旅行の予定があり、訳あって旅のしおりを作成しなければならなくなった。平日は私にも仕事があるため、必然的に作業は夜のあいだに行う必要がある。

 

幸いなことに旅のしおり作成者(犠牲者)は私だけではなく、他に2人居た。それぞれの仕事が終わると連絡を取り合い、各々の交通手段を駆使して集まる。時間はおよそ20時くらいであった。

 

計3日間の作成期間のうち、マクドナルドで作業をすることが多かった。近所に気取ったファミリー・レストランもあったのだけれども「他のお客さまのご迷惑になるから」と追い出されてしまった。夜のマクドナルドには大学生と思しき若者や、テスト勉強に勤しむ高校生などの姿を認めることができた。

 

3人が集まると、それぞれ今日の仕事の話をした。なかなか電話に出ないお客さんが居て、無理難題を押し付けてくる上司が居て、無駄話はいいから早く作業を始めようよと制する者が居た。

 

皆が頼むのは決まってバリュー・セットである。私は1日目に新発売のバーガーを食べ、2日目にフィレオ・フィッシュを食べ、3日目にチキンのバーガーを食べた。

 

商品を受け取ると、席に着き、包装紙を剥がして食べる。食べている間、なんとはなしに2人の様子を見ていたら、あることに気が付いた。それは、ハンバーガーとポテトの食べる順序についてである。

 

仮にAはハンバーガーを全て食べ終えてからポテトを摘んだ。ハンバーガーを食べている間はポテトを一切食べない。仮にBはポテトを全て食べ終えてからハンバーガーに手をのばした。ポテトを食べている間はハンバーガーを一切食べない。かくいう私はハンバーガーとポテトをバランスよく食べた。

 

旅のしおりは無事に完成し、人数分プリントアウトして、ホチキスで留めた。私は、しおりのあとがきとして「ハンバーガーとポテトの関係性について」という読み物を載せようと提案したのだけれども、食べ方のバランスの悪い2人に断られてしまった。