国境の南、太陽の西

沖縄に来ている。私が勤務している会社には連続休暇と名を打った一週間の休暇制度があるのだけれども、七月の終わり頃、上司から急に「八月の第二週から休んでくれ」と言われた。さて何をしようかしらんと悩んでいると、飲みの場で友人から「夏休みはやっぱりリゾートに行くしかないのかも知れない」との助言があり、その子に紅芋タルトを買ってくる約束まで取り付けられてしまった。そういうわけで沖縄に来ている。ちなみに滞在三日目です。私の住む街よりも暑さは厳しくなく、海が近いので涼しい風も吹いている。出発前に拵えたサングラスとスイム・ショーツ(今のところ活躍の場はまだない)がたとえ今回の旅行でしか使用しないとしても、それらを揃えるくらいにはちゃあんと浮かれている。沖縄は大学生のときに旅行で訪れて以来で、その時に泊まったホテルの前を偶然通りかかったときには(オハコルテ・ベーカリーを目指して歩いていた)、思わず声をあげてしまった。

 

さて今回の旅行だが、友人らに幾らかの提案を受けている。一つ目は美ら海水族館に行くこと。メジャーな観光地として挙げることのできる彼の地を訪れ、ジンベエザメの写真を撮ってくるよう言われている(ちなみに水族館へ向かうバスの中でこの文章は書かれている)。二つ目はステーキを食べること。沖縄にはステーキ文化が根付いており、検索窓に打ち込めば沢山のステーキ屋が出てくる。その中から私はジャッキー・ステーキ・ハウスという老舗を選んでステーキを食べた。注文の際に「Sサイズを下さい」と言うと、ご婦人から「男の子はMサイズでも小さいというのに」と感嘆されたので、「それじゃあMサイズを下さい」と諦めて言った。ステーキ自体は破顔するくらいには美味しかった。三つ目は沖縄の郷土料理を食べること。昨夜、国際通り沿いにある人気店でゴーヤーチャンプルーを食べたが、その旨を伝えると友人らは「ソーキそばも食え」といちゃもんをつけてきた。なのでソーキそばは明日食べに行きます(首里のほうにステキなお店がある)。四つ目は離島に行くこと。これは台風の具合が分からないので行かないと思う。ロマンチック街道を行く友人曰く「辺りは暗く、街灯の光も遠く届かない海辺で、ふと見上げるとそこには満点の星」とのことであったが、念入りに断っておいた。それから、最後に五つ目は日焼けをしてくること。「私は休暇を利用してリゾートへバカンスに行きました」と顔に書いてあるくらい日に焼けてくるよう言われたのだが、元来私は日焼けが似合わない。筋骨隆々でないし、顔つきが益荒男振りでもないからである。そういうわけでほんの少し日焼け止めを塗るくらいではあるが、じりじりに焼く気は毛頭ない(ホテルの近くにある東急ハンズに、最近台頭した男性用の日傘が置いてあって結構真剣に購入を考えた)。

 

ここまで書いてもバスはまだ水族館に着かず、窓から見える景色はまるで熊本のようである。これが何かを示唆していないといいのだけれども。